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Tableau新機能 リレーションシップと結合の違いとは?【教えて!タブロー先生】


今回はTableauのデータ接続方法である「リレーションシップ」と「結合」の違いについて説明していきます!

リレーションシップはバージョン2020.2で追加された新しい機能です。

リレーションシップと結合はとても似てはいますが、よーく注目してみると違いが見えてきます!!

集計手順の違い

リレーションシップと結合の1番大きな違いは、複数のテーブルがくっつくタイミングと、データが集計されるタイミングです。

以下のリレーションシップと結合の違いを表した図をご覧ください。どのような違いが出るでしょうか。イメージしやすいように、Excelで計算した場合での表現にしています。

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上の画像の詳細について、説明します。

リレーションシップの集計手順

  1. 2020/11/1の売上データを合計(集計)する。
  2. 日付をキーにし、2つのテーブル(表)をくっつける
  3. 売上÷予算を計算する。

このように、リレーションシップは集計後にテーブル同士がくっつきます。Excelで集計する場合に例えると、先に計算を行い、必要な数字同士を計算式でつなぐようなイメージです。

結合の集計手順

  1. 日付をキーにし、2つのテーブルをくっつける。(日付が複数の行にあるため、予算のデータが3行に繰り返される)
  2. 売上データは合計(集計)、予算データは平均(集計)する。(予算は合計してしまうと3倍になってしまうため平均で集計しなくてはならない)

予算比を計算する場合、初心者は直感でsum(売上)/sum(予算)と計算する人が多いのではないかと思います。
結合はExcelで例えると、先にデータをVlookupして、その後に計算する方法になります。その結果、

結合だと、sum(売上)/avg(予算)という計算が必要で
とにかく間違えやすい!!

ということが起きます。私は何度も間違えました(笑)このように、データの粒度が異なる場合に結合を使う場合は注意が必要です。

結合は上級者向け!

ここまでの説明を読むと、「結合めんどくさいし、リレーションシップだけでいいじゃん!」って思いますよね。確かに、結合がなくなっても困りません。

タブロー社も現在はリレーションシップを利用することを推奨しています。「結合は、必要不可欠な場合のみに利用してください」とまで書いてあります。ということで、

データを接続するときは
リレーションシップを使いましょう!

もちろん結合にしか出来ないことはありますが、Tableau初心者はとりあえずリレーションシップを利用しましょう。間違った数字を出してしまうと怒られてしまう可能性が高いです。

リレーションシップと結合が使い分けれれるようになれば、Tableau上級者です!

Tableau上のそれぞれの操作画面

ここまではリレーションシップと結合の集計手順の違いについて説明してきました。それを踏まえたうえで、Tableau上での操作の違いを見ていきましょう!

リレーションシップと結合の1番大きな操作の違いは、

リレーションシップでは結合のタイプを選ばなくていいという部分です。
Tableauが自動的に調整してくれるんです!

ではそれぞれの実際の操作画面を見ていきましょう。同じ画面での操作なので、初心者は間違えやすいです。

リレーションシップのTableau操作手順

↑クリックして再生。音声は流れません。↑

  1. 「注文」の横に「返品」を持ってくる。
  2. 接続するフィールドを選択する。(今回は”オーダーid”)

結合のTableau操作手順

  1. 「注文」シートにカーソルを合わせ、▼の部分をクリック
  2. “開く”を選択
  3. 「返品」シートを注文シートの右隣へ持っていく
  4. 結合タイプ(内部・左・右・完全外部)と結合句(今回はオーダーid)を選ぶ

結合でのよくある間違いで、

データが合わないと思っていたら
左結合になっていなかった

というやつです。これは何度も何度も引っかかる罠です。初期設定を左結合にして欲しいと思うのは私だけでしょうか。リレーションシップであればこの罠に引っかかることはありません。

まとめ

今回はTableauのデータ接続方法である、リレーションシップと結合について説明しました。今回の内容のおさらいをしてみましょう。

  • Tableau初心者は基本的にリレーションシップで接続するのがおすすめ
  • リレーションシップでは結合のタイプを自分で選ばなくて良い
  • 取り扱うデータの種類が多い時は結合も組み合わせて使う

素晴らしいデザインのグラフを作っても、数字が間違っていたら何の意味もありません。この間違いを少なくしてくれる、素晴らしい機能です。データの接続方法をマスターし、さらにTableau上級者になりましょう!

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次回からもどんどんTableauについて発信していきます!お楽しみに!