The Institute of SC Trend

ロジカルシンキング③
「 あるべき姿 」を考える

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問題=「あるべき姿」と「現状」の差


直面している課題を「テーマ=答えるべき問」として整理することができたら、目指している状態=「あるべき姿」を具体的に考えます。

課題や問題を 「あるべき姿」と「現状」との差 として明確にし、その差を効率的に埋めていく というのがロジカルシンキングの基本の流れですので、「あるべき姿」はしっかり考えましょう。

まず、「あるべき姿」の大枠を考えます。その際、下記の項目を参考に、極力 定量的に考えることが重要です。

 
 ① 上位方針との整合性
   会社目標・SCの施設目標の達成に貢献できる水準
   会社方針・施設方針と整合性がある水準

 ② 競合(SC)の状況
   同一商圏内の競合SCを上回る水準

 ③ ベンチマーク(SC)の状況
   業界内のトップレベルはどの水準にあるのかをおさえる

 ④ 経営的に必要な絶対水準
   かけられる予算枠 投資効率や損益分岐水準


例えば、「次回のリニューアルで子育て世代の強い支持を獲得するにはどうすればいいか」というテーマであれば、「あるべき姿」の大枠を考えるにあたって上記①~④を踏まえて、目指すのは日本一子育て世代に支持されることなのか、日本トップクラスなのか、地域一番なのか、近隣競合並みでいいのか総合的に判断するのです。

この際、重要なのは「出来る」レベルではなく、あくまで経営的に必要な「あるべき」レベルにこだわることです。 
簡単にクリアできる高さのバーを飛んでも意味はありません。



MECEということ


大枠が決まれば、いよいよ詳細を考えます。この時、いきなり思いつくことを列挙してはいけません。 
子育て世代の支持を獲得する例でいえば

・授乳室があること
・小上がりスペースがフードコートにあること
・ベビーカーの貸し出しがスムースなこと
 etc…

と、どんどん出てきますが、このように関係がありそうな要素を思いつくまま挙げるだけでは、ほとんどの場合、抜け漏れが生じてしまいます。

ですから、いきなり列挙する前に、一旦、SC利用の全体像をイメージしたうえで、抜け漏れの生じない切り口は何なのか、を考えるステップが必要なのです。

その際、よく言われるのがMECE(ミーシー)であることです。 

これは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、意味は以下の通りです。

 
 Mutually(お互いに)
 Exclusive(重複せず)
 Collectively(全体に)
 Exhaustive(漏れがない)


一言でいうと、まさに、「漏れなく、ダブりなく」ということです。

MECEな切り口を考えることからスタートする というと、「こりゃ大変だ」と思う方もおられるのではないでしょうか?

実際にはその負荷を軽減する方法がいくつかあります。

次回その方法についてお話しします。

魚谷昌哉
米国国際ショッピングセンター協会(ICSC) 公認SC管理士

京都大学経済学部卒業後トヨタ自動車(株)を経て三井不動産(株)へ転職。
長年商業施設の開発、運営に携わる。
2012年に独立して(株)SCマーケティング総合研究所を設立。
「マーケテイングの革新と人づくり」をモットーにSC業界の人材育成に注力中。
近年は厚生労働省の人材育成助成金に適合した研修プログラムの開発やロジカルシンキング研修に取り組んでいる。


株式会社SCマーケティング総合研究所
https://www.sc-marketing.jp/

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