SCトレンド研究所

2017年7月~9月期 四半期業種別SC出退店ランキングⅠ(ファッション、ファッション雑貨、生活雑貨)

ファッション_大業種のSC出退店ランキング

大きく店舗数を増やしている“AMERICAN HOLIC”、差引退店数1位、2位は営業終了ブランド

2017年7月~9月期のファッション_大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。この出店ランキングは、この期間中にSCに出店もしくはSCから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。

また、この四半期の直前の四半期(17年4月~6月)についても、この差引出店数を算出し、前四半期からの推移を以下の4つの記号を使って表現しています。

なお、当四半期の差引出店数が同数の場合、前四半期に出店・退店がなくこの四半期にランクインしたブランド、また、前四半期よりも当四半期の差引出店数の増加が大きなブランドを優先して、上位20ブランドとしています。

ランクインしたブランドを見ると、最も差引出店数が多かったのは“AMERICAN HOLIC”となりました。同ブランドの差引出店数は19店舗で、他の業種を含めても最も多い差引出店数となっています。この差引出店数が19店というのは、対象期間が3ヶ月間であることを考慮すると、その勢いがイメージできます。2位は3ブランドが差引出店数6店でランクインしています。その中では“JEANS MATE”が前四半期には出店、退店がなくこの四半期に入って出店が始まっていることになります。

 

一方、差引退店数の上位(差引退店数はマイナスで表現しているため数値の大小とランクが逆になりますが、ランキングという意味合いから便宜的に上位と表現しています)ブランドをリストアップした結果は図表2のとおりとなりました。

なお、差引退店数の場合も前四半期との推移を見ていますが、その表現方法は以下のとおりです。

ランクインしたブランドを見ると、“THE EMPORIUM”が最も差引退店数が多く、2位は“BUONA GIORNATA”となっています。両ブランドは、それぞれのブランド運営企業からブランドの営業終了のアナウンスが行われており、それに従った動きをしているものと考えられます。3位の“三愛水着楽園”、12位の“浴衣屋 hiyori”は、季節の移り変わりに伴う退店であると考えられます。

また、差引退店数上位ブランドの中には、前四半期には出店・退店がなかったブランドが多いことにも注目しておく必要があります。

 

ファッション雑貨_大業種のSC出退店ランキング

堅調な出店、一方で強まる退店傾向

2017年7月~9月期のファッション雑貨_大業種のSC出店ランキングは図表3のとおりとなりました。最も差引出店数が多かったのは、“CREEMARE by DHOLIC”(差引出店数5店)となりました。このブランドも含め、ファッション雑貨_大業種の出店ランキング上位ブランドには、前四半期の出店や退店がなかったブランドがファッション_大業種に比べ多いことが見て取れます。

また、2位の“ABC-MART”は出店数が11店、退店数が7店で、差引出店数が4店となっています。また、6位の“aimerfeel by SOCKKOBE”も出店数7店、退店数4店で差引出店数が2店となりました。18位の“Heartdance”も差引出店数は2店ですが、その出店と退店の内訳はこれら2ブランドと同じような内訳となっています。これら3ブランドについて、出店・退店の明細を確認したところ、“ABC-MART”と“Heartdance”の2ブランドは、フロア移動や店舗改装などの可能性が伺える出店・退店が確認できました。一方、残る1ブランドの“aimerfeel by SOCKKOBE”については、こうしたフロア移動・店舗改装などではなく、出店するSCの見直し、いわゆるスクラップアンドビルドの可能性が伺える出店・退店となっています。

ファッション雑貨_大業種の退店ランキングは図表4の結果となりました。

ランキング1位の“MISSHA”は差引退店数が13店と大きく店舗を減らしていますが、同ブランドのホームページを見るとすでに通販サイトでの販売にシフトしており、それに伴うリアル店舗網の縮小が背景にあります。

また、ファッション大業種の退店ランキングと異なり、退店ランキング上位ブランドには前四半期よりも退店数を増加させているブランドが多くなっています。

 

生活雑貨大業種のSC出退店ランキング

店舗数を増やすめがね・コンタクト、ブランドにより出店と退店がわかれる均一価格ショップ

2017年7月~9月期の生活雑貨大業種のSC出店ランキングは図表5のとおりとなりました。

出店ランキングでは、めがねを扱う“JINS”、“Zoff MART‘ALWAYS IN SEASON’”、コンタクトレンズを扱う“eyecity”、“中央コンタクト”といったコンタクト・めがね・補聴器_小業種のブランドや、バラエティ雑貨_小業種に分類されている“Seria”、“DAISO”、“ワッツウィズ”、“3COINS+plus”といった均一価格ショップが上位にランクインしています。

退店ランキング(図表6)に視点を移すと、すでにブランドの終了を発表している“SWIMMER”が退店ランキング1位となりました。また、出店ランキングで複数のブランドが上位にランクインしていた均一価格ショップの“シルク”、“meets”が退店ランキング側でランクインしていることも興味深い結果となっています。

 

集計対象SC

  • 2017年9月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年10月~2017年9月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2017年11月更新データを用いて作成しています】
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