The Institute of SC Trend

2017年度上期(4月~9月)速報 Ⅲ.新規ブランドの概況

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新規ブランドの出店状況

新規ブランドの出店は2016年4月~翌3月と同程度のペース

2017年4月~9月に対象SCで出店のあった新規ブランド数は図表1のとおりです。この6ヶ月間にSCに出店した新規ブランド数は969ブランド、出店SC数は586 SC、ブランド運営企業数は896社、総出店数は985店となっています。

参考値として「SC GATE レポート 2016」(株式会社リゾーム 2017年9月1日、以下SC GATEレポート 2016と表記)に記載の16年4月~翌3月の新規ブランドに関するデータを記載しています。対象期間が2分の1であるため16年4月~翌3月の実績に対する指数が50前後であれば、同期間と同程度の新規ブランドの出店状況となります。出店SC数は想定値をわずかに上回っていますが、ブランド数、ブランド運営企業数、出店数はわずかに下回っています。10月以降の新規ブランド出店動向にもよりますが、6ヶ月経過時点ではSCに出店する新規ブランドは16年4月からの1年間とほぼ同レベルで推移しています。

SCタイプ別出店状況

小型・中型_駅周辺・市街地、小型施設_郊外で多い新規ブランド出店

これら新規ブランドの出店状況をSCタイプ別に見たものが図表2です。それぞれのSCタイプに属するSC数やテナント数が異なるため、SCタイプ間での単純比較はできません。ブランド数、ブランド運営企業数、総出店数では中型施設_駅周辺・市街地が最も多く、出店SC数では中型施設_郊外が最も多くなっています。

図表3は、各SCタイプの新規ブランドの出店数構成比と全ブランドの出店数構成比によりSCタイプ間での比較ができるようにしたものです。

新規ブランドの出店数構成比は駅周辺・市街地の小型・中型施設、小型施設_郊外のSCタイプで顕著に高くなっています。駅ナカ、地下街、空港も構成比そのものは低いですが新規ブランドの出店数構成比が高くなっています。一方、すべての駅ビル、大型施設_駅周辺・市街地、郊外の中型・大型施設、超大型施設、アウトレットでは新規ブランドの出店数構成比が低くなっています。

業種別出店状況

新規ブランドはサービス_大業種で急増、食品・飲食・ファッションの各大業種は鈍化

新規ブランドの出店状況を大業種別に見たものが図表4です。

それぞれの業種のブランド数や出店数が異なるため単純比較はできませんが、ブランド数、出店SC数、ブランド運営企業数、総出店数のいずれもサービス_大業種が最も多くなりました。主要な業種を見ると、飲食_大業種がサービス_大業種の2分の1程度、ファッション_大業種や食品_大業種はサービス_大業種の2割程度にとどまっています。なお、GMS_大業種と百貨店_大業種は新規ブランドでの出店はありませんでした。

SCタイプ別の場合と同様、各業種の新規ブランドの出店数構成比と全ブランドの出店数構成比により業種間での比較ができるようにしたものが図表5です。

図表4で最も出店数が高かったサービス_大業種は構成比でも高い値となったうえに、全ブランドに比べ顕著に構成比が伸びています。飲食_大業種は出店数などでは高い値となっていましたが、もともとの出店数も多いことから、構成比は高くなっていますがサービス_大業種ほどの大きな差にはなっていません。これら以外の業種ではインテリア・寝具・家電_大業種、アミューズメント_大業種、また、差はわずかですがスポーツ・ホビー_大業種も構成比の増加が見られます。

ファッション_大業種、ファッション雑貨_大業種、生活雑貨_大業種、食品_大業種では新規ブランドの構成比が低くなっています。

この結果を2016年4月から1年間の傾向(SC GATEレポート 2016  図表42)と比較すると、サービス_大業種が新規ブランドの構成比を大きく伸ばし、食品_大業種、飲食_大業種、ファッション_大業種などで新規ブランドの構成比が低下していることが読み取れます。

中業種別に新規ブランドの出店数構成比と全ブランドの出店数構成比を比較したものが図表6です。

新規ブランドの多いサービス_大業種を見ると、医院・リラクゼーション_中業種や携帯電話_中業種、カルチャー教室・学校_中業種がサービス大業種の新規ブランドをけん引しています。逆にファッション_大業種ではレディス_中業種、ファッション雑貨_大業種では身の回り_中業種、のようにそれぞれの大業種における主力ともいえる中業種での新規ブランドが減っています。

SCタイプ別の新規ブランド業種構成の特徴

SCタイプごとに新規ブランドへの期待感が異なる

SCタイプ別に新規ブランドのブランド数構成比を算出し、全SCタイプの新規ブランド構成比と比較したものが図表7です。

駅ナカを例にとると、駅ナカでは食品大業種の新規ブランドが50%で全体との差は+42.1%となり、駅ナカは食品大業種にウエイトを置いて新規ブランドを出店させていることになります。

同じような見かたをしていくと、小型駅ビルや空港では飲食_大業種、大型駅ビルはファッション_雑貨大業種とアミューズメント_大業種、地下街では生活雑貨_大業種、郊外の小型・中型施設ではサービス_大業種、アウトレットではファッション_大業種やファッション雑貨_大業種、というようにそれぞれのSCタイプがウエイトを置いている業種が異なり、それぞれのSCタイプでどういった業種で競合施設と差別化しようとしているかが読み取れます。

最後に

本稿では、17年4月~9月の新規ブランドについて、16年4月~翌3月との比較も交えながら報告していますが、新規ブランドも出退店と同様に新規ブランドの多い月や少ない月といった波動がある可能性があります。そのため、18年3月末時点のデータを用い4月~翌3月の新規ブランドについての集計結果を「SC出退店動向レポート2018」として発表する予定にしています。

 

集計対象SC

  • 2017年9月末日までにSC GATEに登録されている
  • 2017年9月末日時点で営業している
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年10月~2017年9月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

集計対象新規ブランド

  • SC GATE上で過去に登録されていないショップブランドで、対象期間中に新規出店があった
  • ブランド運営企業名が調査済である

 

【本稿はSC GATEの2017年11月更新データを用いて作成しています】
SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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