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開業したショッピングセンター数は前年から半減 - 【半期速報Ⅱ.2018年4~9月の開業SCの概況】

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速報第1報の2018年9月末時点のショッピングセンター全体の概況(記事はこちら)に続き、第2報として18年4月~9月に開業したショッピングセンターの概況を報告します。

この速報は、17年4月~18年3月末に開業したショッピングセンターの状況を報告した「ショッピングセンター 出店・退店動向レポート 2018」(レポートの詳細・ご購入はこちら)の本編Ⅱの、対象期間終了後の6ヶ月間の状況を速報として報告するものです。

開業ショッピングセンターの全体概況

対象ショッピングセンターは13施設

この報告で対象とする開業ショッピングセンターは図表1の13施設です。

昨年(17年4月~9月)の開業ショッピングセンターに関する速報(記事はこちら)での対象ショッピングセンター数が25施設でしたから、この半期の開業ショッピングセンターは、昨年のほぼ2分の1ということになります。
ショッピングセンターの開業の勢いが弱くなっています。

対象となったショッピングセンター13施設の全体の概況を図表2に示します。

18年9月末のショッピングセンター全体と比較して、1SC当り面積は1.5倍、1SC当り平均テナント数は1.4倍となりました。

なお、特に記載していない場合、本稿で比較対象としている18年3月末日の実績は「ショッピングセンター 出店・退店動向レポート 2018」(2018年9月3日、SCトレンド研究所編著、株式会社リゾーム発行、詳細はこちら)を、また、17年4月~9月の実績は「2017年度上期(4月~9月)速報 Ⅱ.開業SCの概況」として公開した記事(記事はこちら)を引用しています。

開業ショッピングセンターのSCタイプ別概況

最も増加数が多いのは小型施設_駅周辺・市街地

対象となった13のショッピングセンターをSCタイプ別に見たものが図表3です。

開業したショッピングセンター数では小型施設_駅周辺・市街地が4SCと最も多く、「駅ナカ」「小型駅ビル」「大型駅ビル」「地下街」「超大型施設」「空港」では開業したショッピングセンターはありませんでした。

図表4は開業したショッピングセンターのSC数構成比を、施設の規模に着目してSCタイプの並び順を変更して、18年3月末と比較したものです。

18年3月末と比較して、小型施設では駅周辺・市街地の構成比が最も増加しており、郊外の構成比が大きく低下しています。中型施設の場合は、駅ビルが構成比を増やしているのに対し、駅周辺・市街地や郊外は構成比を落としています。また、大型施設では、駅周辺・市街地が構成比を大きく伸ばし、郊外は微増という結果になっています。

開業ショッピングセンターの業種別テナント数構成

開業ショッピングセンターの特徴はインテリアと飲食 / 対象顧客層の拡大の方向性が続く

対象ショッピングセンターに出店しているテナントの大業種別概況が図表5です。

なお、図表5で算出している業種出店SC比率とは、対象ショッピングセンターの中で当該業種のテナントがあるショッピングセンターの比率を算出したものとなっています。また、1SCあたり平均テナント数は、当該業種のテナントが出店しているショッピングセンターにおける当該業種のテナント数の平均値を算出したものです。

図表6は大業種別のテナント数構成比を18年9月末のショッピングセンター全体と比較したものです。また、図表6-2は業種出店SC比率を18年9月末のショッピングセンター全体と比較したものです。

図表6のテナント数構成比では、ファッション、ファッション雑貨、生活雑貨、インテリア・寝具・家電、スポーツ・ホビー、飲食といった業種で構成比が高く、サービスが大きく構成比を低下させており、いわゆる「モノ消費」から「コト消費」へのシフトと逆の動きをしているのではないかと思わせるような結果となりました。

ところが、もう一つの指標、図表6-2の業種出店SC比率に着目すると様相は一転します。テナント数構成比が高い結果となったファッション、ファッション雑貨、生活雑貨、スポーツ・ホビーといった大業種は、業種出店SC比率を大きく値を低下させています。こうしたテナント数構成比が高くなると同時に、業種出店SC比率が低下するということは、すべての開業ショッピングセンターがこうした業種のテナントを増やしているのではなく、一部の開業ショッピングセンターがこうした業種のテナントを増やすことで、差別化を図ろうとしていることを示しています。具体的には、対象となった開業ショッピングセンターの中にあった、SCタイプがアウトレットに属する施設などが該当するものと思われます。

同様に、テナント数構成比と業種出店SC比率の2つの指標の関連で見ていくと、2つの指標がともに増加した業種はインテリア・寝具・家電と飲食の2業種のみという結果になっており、これらの2業種が開業ショッピングセンターの特徴になっていると言えます。

図表7は、中業種別の大業種内テナント数構成比を18年9月末のショッピングセンター全体の構成比と比較したものです。

大きな動きに着目すると、ファッションではレディスが構成比を低下させ、レディス&メンズ、ファミリー、キッズ、ベビーなど、対象顧客層の拡大の方向性が続いています。スポーツ・ホビーでは、スポーツの構成比が高くなりホビーの構成比が低下しています。また、アミューズメントでは子供向け遊戯施設が構成比を下げ、ファミリー向け遊戯施設が構成比を高めており、アミューズメントでも対象顧客層の拡大の方向性が見られます。

図表6、図表6-2でテナント数構成比と業種出店SC比率がともに伸びていたインテリア・寝具・家電と飲食の2つの業種に着目すると、インテリア・寝具・家電ではインテリア、飲食では和食が構成比を伸ばしています。

SCタイプ別大業種テナント数構成

駅ビルやアウトレットの質の変化がみられる

SCタイプ別に開業ショッピングセンターのテナント数構成比を見たものが図表8です。また、そのテナント数構成比を18年9月末と比較したものが図表8-2です。

SCタイプ別にみていくと、中型駅ビルではファッションやファッション雑貨の構成比が低下し、生活雑貨、食品、サービスが構成比を伸ばしています。
駅周辺・市街地では、小型施設でのサービスの低下と飲食の増加が、また、中型施設でのファッション、ファッション雑貨の低下と飲食、サービス、アミューズメントの増加が、そして大型施設での生活雑貨、ファッションなど「モノ消費」の構成比の増加と、飲食、サービスといった「コト消費」の構成比の低下が、それぞれ見られています。
郊外の施設では、小型施設でファッションやファッション雑貨から飲食やサービスへのシフト、中型施設ではサービスやファッションから食品や飲食へのシフトがそれぞれ伺えるものの、大型施設では大きな変動は見られないという結果になっています。
また、アウトレットではファッションが大きく構成比を落とし、飲食が大きく構成比を増やすという結果が見られています。

半期速報の今後の予定

本報告は18年4月~9月に開業したショッピングセンターの状況を、昨年同期や18年9月末と比較も交えながら半期の速報の第2報として報告したものです。半期報告の第3報(最終報)は、この半期にショッピングセンターに初出店したブランドに関する報告を予定しています。

集計対象ショッピングセンター

  • 2018年4月~2018年9月に開業している
  • 2018年9月末日までにSC GATEに登録されている
  • 2018年9月末日時点で営業している
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2017年10月~2018年9月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年11月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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Photo by 江戸村のとくぞう [CC BY-SA 4.0], from Wikimedia Commons

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