The Institute of SC Trend

2017年度上期(4月~9月)速報 Ⅱ.開業SCの概況

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開業SCの全体概況

開業SCは25 SC、平均テナント数・平均店舗面積ともSC全体平均を上回る

SC GATEの2017年度上期(4月~9月)の開業SCは30 SCとなっていますが、これらの中にはリニューアルや核テナントの変更に伴う名称変更などを含んでいることから、本稿ではそれらを除いた以下の25 SCを対象にしています。

これら開業した25 SC全体で、17年9月末SC数で1.0%、店舗面積で1.4%、テナント数で1.2%を占めています。また、1 SC当りでは17年9月末の1 SC当りに比べ、店舗面積で1.4倍、平均テナント数で1.2倍と、面積・テナント数ともに大きな値となっています。(図表2)

SCタイプ別概況

増加したSCは中小型SCと超大型SC、一方で減少したのは大型SC

開業25 SCのSCタイプ別概況は図表3のとおりとなりました。SCタイプが「中型駅ビル」「地下街」「アウトレット」「空港」に分類されるSCの開業はありませんでした。

開業SCのSCタイプ別SC数構成比を、17年9月末のSC全体の構成比と比較したものが図表4です。

開業SCでは、大型施設_郊外、大型駅ビル、駅ナカの構成比が全体に比べ高い結果となっています。一方、小型駅ビル、駅周辺・市街地の小型・中型施設は構成比が低く、中型駅ビルの開業がなかったことも踏まえると、駅ビルや駅周辺・市街地といった立地では、小型・中型施設の開業が停滞しています。

業種別構成

開業SCに見られる2つの競争戦略

開業25 SCに出店しているテナントの大業種別概況が図表5です。

テナント数では飲食大_業種が最も多く、続いてファッション_大業種、サービス_大業種の順になりました。

テナント数構成比、業種出店SC比率、1 SC当り平均テナント数について、17年9月末のSC全体と比較したものが図表6です。テナント数構成比では飲食_大業種、ファッション雑貨_大業種の構成比が高くなり、サービス_大業種が大きく構成を下げています。

それぞれの大業種が出店しているSCの比率を表した業種出店SC比率と、それぞれの大業種が出店しているSCにおける1 SC当り平均テナント数を見ると、ファッション_大業種やファッション雑貨_大業種では、業種出店SC比率が低く、それらの業種を出店させていない開業SCが多かったことを示しています。ところが、これらの業種について1 SC当り平均テナント数を見ると、両大業種とも平均テナント数が大きい値を示していることから、ファッション系テナントに注力するSCと、注力しないSCという、開業SCの2つの競争戦略があるのではないかと考えられます。

また、インテリア・寝具・家電_大業種は業種出店SC比率が大きな値を示していることから、ファッション系テナントに注力しないSCなどが、インテリア・寝具・家電_大業種にシフトしている可能性があります。

飲食大業種は、業種出店SC比率が100%で開業SCのすべてで出店していることになりました。ただ、もともとのSC全体での比率も高いことから、業種出店SC比率の値そのものに大きな変化はありません。一方、1 SC当り平均テナント数は、その値を大きく伸ばしており、開業SCが飲食に注力している姿か伺えます。

中業種別にテナント数大業種内構成比を開業SCとSC全体で比較したものが図表7です。

ファッション大業種ではレディス_中業種が構成比を低下させ、レディス&メンズ_中業種やラグジュアリーブランド_中業種が構成比をあげています。なお、ラグジュアリーブランド_中業種の構成比が高くなっている点はファッション雑貨_大業種でも観察されています。

ファッション雑貨_大業種では、上述のラグジュアリーブランド_中業種以外に、化粧品_小業種が属するその他ファッション雑貨_中業種も構成比が高くなっています。

生活雑貨_中業種も構成比を高めていますが、これはライフスタイル雑貨_小業種の構成比の上昇が大きく寄与しています。

その他、構成比が顕著に高くなっている中業種は、インテリア・寝具・家電_大業種の寝具_中業種、食品_大業種の菓子_中業種とスーパー・コンビニ・グロサリー_中業種、GMS_大業種のスーパーマーケット_中業種とディスカウントストア_中業種、サービス_大業種の携帯電話_中業種、アミューズメント_大業種の大型施設_中業種、ファミリー向け遊戯施設_中業種、大人向け遊戯施設_中業種、などが見られます。

開業SCのSCタイプ別大業種テナント数構成

他のSCタイプと異なる動きを示す大型駅ビル

SCタイプ別に大業種テナント数構成を開業SCとSC全体で比較したものが図表8です。

開業SCは数が少なく、SCタイプ別に分けると極端な場合一つのSCしか含まれない場合もあるため、傾向として捉えることは難しいと考えられるものの、17年4月~9月の開業SCの大業種構成はSC全体に比べ、SCタイプごとに大きく変化していることが伺えます。

例えば、対象開業SC数が4 SCの小型施設_駅周辺市街地の場合、ファッション_大業種とサービス_大業種の構成比が低下し、飲食_大業種の構成比が上昇しています。
また、対象開業SC数が6 SCの小型施設_郊外では、ファッション_大業種・ファッション雑貨_大業種の構成比が低下し、サービス_大業種の構成比が上昇しています。
対象開業SC数が5 SCの大型施設_郊外では、ファッション_大業種とサービス_大業種の構成比が低下し、インテリア・寝具・家電_大業種、食品_大業種、飲食_大業種の構成比が上がっています。

SC業界では、昨今、類似SCの増加が問題視されていますが、このような開業SCでの動きを見ていると、新たな方向性を模索し始めている可能性があります。

最後に

本稿では、17年4月~9月に開業したSCについて、17年9月末時点との比較も交えながら報告していますが、18年3月末時点のデータを用い4月~翌3月に開業したSCの集計結果を「SC出退店動向レポート2018」として発表する予定にしています。

 

集計対象SC

  • 2017年9月末日までにSC GATEに登録されている
  • 2017年4月~9月に開業したSC(リニューアルや核テナント変更などに伴う名称変更は含まない)
  • 2017年9月末日時点で営業している
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年10月~2017年9月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

 

【本稿はSC GATEの2017年11月更新データを用いて作成しています】
SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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