SCトレンド研究所

2017年7月~9月期 四半期業種別SC出退店ランキングⅢ(飲食、サービス、アミューズメント)

出退店ランキングについて

この出退店ランキングは、対象の四半期中(このレポートでは2017年7月~9月)にSCに出店もしくはSCから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出退店数を算出し、出店ランキングの場合は差引出退店数がプラス側(店舗が増加している)で差引出店数の上位20ブランドを、また、退店ランキングの場合は差引出退店数がマイナス側(店舗が減少している)で差引退店数の上位20ブランドを、一覧表として表示したものです。

なお、対象の四半期の直前の四半期(このレポートの場合は17年4月~6月)についてもこの差引出退店数を算出しており、対象四半期の差引出退店数が同数となった場合、前四半期に出店・退店がなくこの四半期にランクインしたブランド、また、出店ランキングの場合は差引出店数の前四半期からの増加(退店ランキングの場合は差引退店数の増加)が大きなブランドを優先して、上位20ブランドとしています。

また、出店ランキング、退店ランキングそれぞれについて前四半期からの推移を以下のルールで記号により表現しています。

出店ランキングの場合

退店ランキングの場合

飲食_大業種のSC出退店ランキング

3つの中業種の出店が多く、ファーストフード系・フードコート系ブランドの退店が多い

2017年7月~9月期の飲食_大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。

最も差引出店数が多かったのは“Saizeriya”(差引出店数15店)となりました。3ヶ月間という期間での出店数が17店ということは週に1店以上出店していることになります。また、2位には“いきなり!ステーキ”と“スターバックスコーヒー”が差引出店数9店でランクインしています。

中業種単位で見ると、カフェ・スイーツ・ベーカリー_中業種が差引出店数合計23店、和食_中業種が差引出店数14店、ラーメン・ちゃんぽん_中業種が差引出店数12店となっています。

一方、退店ランキング(図表2)では、“SUBWAY”が差引退店数8店で1位になりました。2位は“ロッテリア”、“おむらいす亭”、“ファーストキッチン”の3ブランドが差引退店数5店とねっており、ファーストフード系もしくはフードコート系ブランドの退店が多いことが伺えます。

また、6位には“びっくりドンキー”がランクインしており、出店ランキング1位で、類似した業態の“Saizeriya”と対照的な動きになっています。

 

サービス_大業種のSC出退店ランキング

増加するカルチャー教室・学校中業種と格安スマホ販売ブランド

サービス_大業種のSC出店ランキングは図表3のとおりとなりました。

1位には、6つのブランドが差引出店数6店でランクインしています。6ブランドの中には金融_中業種に含まれるATM業態が2ブランド含まれており、それらを除いた1位のブランドは“ミシン工房”、“ペットランド GORILLA”、“そろばん教室88くん”、“UQスポット(UQコミュニケーションズ株式会社)”となっています。

中業種レベルで見ると、カルチャー教室・学校_中業種が差引出店数合計で21店、5ブランドがランクインしています。ただ、これらの5ブランドの属する小業種を見ると、5ブランドそれぞれが別の小業種に属しており、この中業種全体の勢いのようなものが感じられます。

また、携帯電話_中業種も差引出店数合計12店で3ブランドがランクインしており、いずれも格安スマホを提供しているブランドとなっています。

退店ランキングでは、最も退店数が多かったのは“弁護士法人 アディーレ法律事務所”(差引退店数6店)となりました。同ブランドについては、このランキングの期間(17年4月~9月)直後の17年10月に東京弁護士会から業務停止2カ月の懲戒処分を受けたというニュースが記憶に新しく、この退店もそうした状況を踏まえた退店の可能性があります。

業種別で見ると、業種別トレンドレポート「何がリサイクル・リユース業種を駆逐したのか?」(レポートはこちら)で触れているリサイクル_中業種のブランドも4ブランド(差引退店数合計14店)がランクインしています。

また、クリーニング、エステ、保険といった小業種も数ブランドがランクインしています。

 

アミューズメント_大業種のSC出退店ランキング

退店の多かった2ブランドを除くと、出店・退店ともに落ち着いた動き

2017年7月~9月期のアミューズメント_大業種の出店ランキングは図表5のとおりとなりました。また、退店ランキングは図表6のとおりです。

出店ランキングを見ると、最も差引出店数が多いブランドでもその差引出店数は3店で、4ブランドが出店しています。ランクインしたその他のブランドの出店状況を見ても、特定のブランドが店舗数を伸ばしているというわけではないようです。小業種ではゲームセンターや室内遊園地といった小業種が多くランクインしています。

一方で、退店ランキングでは、“プレイランド373”、“Molly Fantasy”(いずれも室内遊園地小業種)がそれぞれ差引退店数が7店、4店となっています。ただ、これら両ブランドとも、出店・退店双方に動きがあることから、移転などに伴う退店の可能性もあります。

 

集計対象SC

  • 2017年9月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年10月~2017年9月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

 

 

【本稿はSC GATEの2017年11月更新データを用いて作成しています】
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