SCトレンド研究所

逆風を活かす出店戦略のブランドが出店を伸ばす - 【アミューズメント大業種四半期SC出退店ランキング】

 

2018年4月~6月期のアミューズメント大業種のSC出退店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数、差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

 

アミューズメント大業種のSC出退店ランキング - 【2018年4月~6月期】

動きの目立たないアミューズメント業種で、出店数6店のブランドが登場

18年4月~6月期のサービス大業種のSC出店ランキングは図表1のようになりました。

前四半期までのSC出店・退店ランキングでは、これまで大きな動きが見られないと報告すること多かったアミューズメント大業種で、この四半期は出店ランキングに、差引出店数が6店というブランドが登場しました。

そのブランドは、出店ランキングの1位(差引出店数6店)の“キラキラAsobox”です。前四半期の報告でも差引出店数2店で2位となっていました。このブランドは、アミューズメント機器のレンタルからスタートした株式会社エターナルアミューズメント(東京都千代田区)が運営するブランドです。家庭用ゲーム機の進化やスマートフォンの普及により、厳しい状況にあると指摘されるゲームセンター市場において、同社は事業譲渡や店舗譲渡などM&A事案を積極的に受け入れるという出店戦略を採用するとともに、大手アニメ制作企業から人気アニメタイトルのキャラクター商品化(MD)ライセンスを取得してオリジナルグッズを投入するといった差別化戦略を採用していることが、同社の運営するゲームセンターの増加の背景にあると考えられます。なお、本稿執筆時点のSC GATEデータでは26施設への出店が登録されています。

退店ランキングでは、最も差引退店数が多いブランドでも差引退店数が2店で、大きな動きは見られません。

ただ、1位に差引退店数2店でランクインした“ぷれいらんど373”は、マイナミアミューズメント株式会社(現在は吸収合併により消滅)が運営していたブランドです。同社は、17年に発行済株式のすべてを取得されることで株式会社宝島ホールディングスの子会社となり、その後、株式会社宝島(東京都台東区)に吸収合併されています。こうした動きを反映してか、現時点のSC GATEデータでは、出店施設は1施設のみとなっています。

 

集計対象SC

  • 2018年6月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年7月~2018年6月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年7月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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  • 前四半期のこの業種(飲食、サービス、アミューズメント)のランキングはこちら