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ショッピングセンターでの店舗数を急増させるブランド登場!その影にはあの企業が! - 【サービス大業種四半期SC出退店ランキング】

 

2018年4月~6月期のサービス大業種のSC出退店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数、差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

 

サービス大業種のSC出退店ランキング - 【2018年4月~6月期】

この2四半期にショッピングセンターでの店舗数を急増させるブランドが登場 - 別業種での出店ノウハウを活用

18年4月~6月期のサービス大業種のSC出店ランキングは図表1のようになりました。

1位にランクインしたのは、前々四半期(17年10月~12月期)、前四半期(18年1月~3月期)にともに1位だった“ベネッセの英語教室 BE studio”(差引出店数14店)となりました。前四半期の報告(記事はこちら)にもあるとおり、この出店はブランド名変更に伴うもので、退店ランキング側の1位には、ブランド名変更前の“こども英会話のミネルヴァ”(差引退店数11店)がランクインしています。

2位には美容室_小業種の“ヘアカラー専門店fufu”(差引出店数8店)がランクインしました。このブランドは、前々四半期(17年10月~12月)はランク外でしたが、前四半期(18年1月~3月、記事はこちら)は6位(差引出店数7店)、当四半期は2位(差引出店数8店)と、ショッピングセンターでの店舗数を急増させています。このブランドは業種分類上は美容室_小業種に分類されていますが、ウェブサイトに「ちょっと新しい、ヘアカラー専門店」とあるとおり、一般の美容室ではなく、美容室のサービスの1つである毛染めサービスだけを専門に提供する店となっています。このブランドを運営する株式会社Fast Beauty(ファストビューティ、東京都渋谷区)は17年1月に、株式会社トリドールホールディングス(兵庫県神戸市)の100%子会社である株式会社SONOKO(東京都中央区)を通じて、トリドールグループとの資本業務提携を結んだことを発表しています。“讃岐釜揚げうどん「丸亀製麺」”などのブランドで培った、トリドールグループの店舗展開力、出店ノウハウなどを活用して事業を拡大していくとしています。なお、この四半期のランキングには、同じ毛染め専門サービスを提供しているブランド“Beauty Color Plus”も、10位(差引出店数3店)でランクインしています。

また、2位には“セブン銀行ATM”が差引出店数8店で、ATM_小業種としてランクインしています。通常、ATM_小業種はショッピングセンターに出店する通常のショップと特性が異なるため、コメントを提供することは差し控えていましたが、この四半期中の18年4月に三菱UFJフィナンシャル・グループが発表した中期計画を踏まえると、今後の動向に注視が必要だと考えています。
同グループの発表によれば、インターネットバンキングやコンビニATMの定着に伴い、窓口のある店舗を半減する計画を進めていくとされています。このことは、裏返せばATM網は引き続き強化するということにつながります。また、銀行参入が遅れていたローソンもローソン銀行を発足させ、18年10月にはサービスを開始することが発表されていることなども考慮すると、今後、ショッピングセンターも含む、人が集まる施設を利用したATM網の充実が進んでいくことが予想できます。この四半期のランキングでは1ブランドで差引出店数8店でしたが、前四半期には5ブランドで差引出店数29店の出店があった(記事はこちら)ことも再確認しておく必要がありそうです。

ランキングの4位には、カルチャー教室・学校中業種から、おなじみとも言えそうな“そろばん教室88くん”と“ホットヨガスタジオLAVA”の2ブランドが、差引出店数7店でランクインしています。

 

一方、差引退店数の上位ブランドをリストアップした結果は図表2のとおりとなりました。

1位に差引退店数11店でランクインした“こども英会話のミネルヴァ”は、出店ランキングで説明したブランド名の変更に伴うものとなっています。

2位には差引退店数7店で、“ペットランド GORILLA”がランクインしています。このブランドは株式会社ダイコー(愛知県名古屋市)が運営していましたが、同社は16年5月に名古屋地方裁判所へ民事再生法の適用申請をして、営業は継続していたものの、この四半期にSC GATE上で登録されていた全店が退店となったものです。

集計対象ショッピングセンター

  • 2018年6月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年7月~2018年6月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年7月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

関連レポート

  • 前四半期のこの業種(サービス)のランキングはこちら