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ニューリッチ層がトレンドセッター「モノからコトへ」。【ラグジュアリーカフェCOVA】銀座に旗艦店オープン

ニューリッチ層がトレンドセッター「モノからコトへ」。【ラグジュアリーカフェCOVA】銀座に旗艦店オープン
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東急が手掛けるラグジュアリー飲食事業。旗艦店としてギンザ・シックスに出店

2号店は渋谷スクランブルスクエア

ギンザ・シックスに9月12日、イタリア・ミラノの老舗パスティッチェリア「COVA(コヴァ)」がオープンしました。

ミラノの目抜き通りモンテナポレーネ通りにあるCOVA本店。世界のセレブリティが集まる社交場。
ミラノの目抜き通りモンテナポレーネ通りにあるCOVA本店。世界のセレブリティが集まる社交場

ラグジュアリーブランドが軒を連ねるモンテナポレオーネ通りで、ウィンドーを飾る芸術的なスイーツやペストリーなどが支持されてきたCOVA。今回もラグジュアリーブランドが集積する3階に出店し、銀座に新たなラグジュアリー空間を提案しています。

運営するのは、9月2日付で東京急行電鉄から社名変更した東急。同社はなぜ今、ラグジュアリー・カフェに進出したのでしょうか。

「独自コンテンツで、かつ『東急らしいブランドを』探すということになった」と発端を話してくれたのは、東急株式会社リテール事業部リテール戦略グループ上席主査の高木寛子さんです。

COVAバーカウンター。サービスの本質を伝え、顧客エンゲージメントの何かを伝えてくれる

2016年のことでした。ディベロッパーとしてテナントを揃えるだけでなく、今後は自ら運営することも課せられていました。
では、どんな業種を選ぶか。

アパレル市況は当時から厳しかったなか、「やるなら生活に根差す体験型の飲食か、食物販だ」。

2021年に創業100周年を迎える東急にとっては、自らのブランド付加価値を高める、相手との親和性もポイントになりました。
COVAは1817年創業で、2013年にLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループ入り。歴史や背景には、東急と通じるものを感じました。
特に顧客とのエンゲージメントを大切にするブランド理念は、企業と提供するサービスへの高い信頼に基づくものであり、企業戦略そのものです。ですから、世界展開を積極化したいLVMHから提案があり、独占ライセンス契約を締結することに迷いはなかったといいます。

銀座店のショーケース。天井の照明は、ミラノ本国デザインのシャンデリア

店内にアンティークミラー、ビロードのソファ、クリスタルの大きなシャンデリアを配置。金色の縁と真鍮で仕上げられたマホガニー木材や大理石を使ったカウンターも置きました。最初は国産も考えたそうですが結局、内装はすべて輸入に。「本物の良さが分かるお客様視点で」(高木さん)。

ここでしか味わえない落ち着いた雰囲気で飲むコーヒーやランチは「消費ではなく体験」です。

アフタヌーンティセット。シャンパンとともにいただくのがCOVA流
アフタヌーンティセット。シャンパンとともにいただくのがCOVA流

コーヒー1000円、ランチの平均単価3000円前後。COVAには、そんな値段を気にするようなお客様は、ほぼいないようです。
何気なくラグジュアリーブランドを買い回り、「さて、お茶でも」と入ってくるのがCOVA。
買い物袋の総額は数百万円?
会計時に「気軽に利用できるわ」というお客様も。40代の”ニューリッチ”や日本で働く外国人、中にはホテル住まいで毎日通われる高齢の男性客もいるとか。

メインターゲットにしているニューリッチ層は、百貨店の外商顧客と重なります。

考えてみれば、ギンザ・シックスも新しい百貨店でした。都市型SCと百貨店の垣根が低くなった今、COVAは都市型SC・百貨店に出店を進めます。
第2号店は11月1日、渋谷スクランブルスクエア4階に開業する予定で、初の自社物件への出店。ここでは法人利用の需要も見込めるといいます。

法人需要とは飲食だけではありません。ギフトコレクションとして、チョコレートボックス、季節ごとに替わるペストリーなどは、バリエーション豊富に揃っており、企業の贈答品用途として有望です。

「出店は急がない」と着実なお客様への定着を望む高木さん。
それでも「COVAが育ってきたら次に何をするか考えたい」と、心は一歩先を読んでいました。

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