SC・ショップの未来を“データ”で照らす

ファッション業種の店舗数減少には歯止めの可能性も 【2017年10月~12月期 四半期SC出退店D.I.】

 

2017年10月~12月の四半期SC出退店D.I.値を業種別、SCタイプ別、SC所在地方別に算出した結果を報告します。

 

2017年10月~12月 業種別四半期SC出退店D.I.

ますます顕著になったインテリア系テナントへのシフト / ファッションの店舗数減少には歯止めがかかった可能性も

SCに出店しているテナントの大業種別に2017年10月~12月期を含め5四半期分の四半期SC出退店D.I.(四半期出退店D.I.の説明は本記事後半をご覧ください)を算出した結果が図表1です。なお、四半期SC出退店D.I.はSC GATEのデータから算出されており、このデータは毎月新規開業以外のSCも含め新たなSCが追加されていくことから、このレポートに記載された過去の四半期のD.I.値と過去のレポートのD.I.値は一致しない場合があります。

17年7月~9月期に引き続き、インテリア・寝具・家電_大業種(以下、大業種名については“_大業種”を付さずに表記)のD.I.が最も大きく、店舗数の増加が継続しています。アミューズメントやサービス、生活雑貨、飲食、GMSといった大業種でもD.I.がプラスになっています。これらのうち、サービス、飲食、生活雑貨は、店舗数の増加は継続しているものの、前四半期より増加傾向が弱くなっています。SCにおける業種構成のインテリア系業種テナントへのシフトがますます顕著になっています。

一方、マイナス側ではファッション、ファッション雑貨、スポーツ・ホビーといった大業種で店舗数の減少が見られています。ファッションは長く店舗の減少傾向が続いていましたが、D.I.値が2四半期連続して低水準となっており、店舗数の減少に歯止めがかかり始めた可能性があります。

また、スポーツ・ホビーは17年1月~3月期には強い出店傾向があったものが、急激に退店傾向に移行したように見えますが、詳細データを見ると特定ブランドでの退店が多く、その影響を受けていることがわかっています。(この詳細については、18年3月発表の四半期SC出退店ランキングで公表する予定です)

食品の当四半期におけるD.I.値はゼロとなり、出店と退店が拮抗している結果となりました。前四半期のレポート(レポートはこちら)で、「ファッション系SCへの食物販テナントの出店の動きなどが、弱まっている可能性がある」としましたが、その流れが継続しているものと考えられます。

 

 

 

2017年10月~12月 SCタイプ別四半期SC出退店D.I.

店舗数の増加傾向が続く駅ナカと駅ビル / 店舗数を減らす中型・小型の郊外施設

SC GATEが定義しているSCタイプ別に、同期間の四半期SC出退店D.I.を算出した結果は、図表2のようになりました。

駅ナカ・駅ビルでは施設の規模に関わらず2四半期連続してD.I.値がプラスとなり、出店傾向が継続しています。地下街では17年1月~3月期と同4月~6月期の2四半期間に特定のSCでテナントの入れ替えがあったことが影響しD.I.値がマイナスからプラスに大きく変化していますが、それ以外の四半期は出店と退店がほぼ拮抗した状況となっています。

駅周辺・市街地のSCに着目すると、大型施設で大きなプラスのD.I.値となりました。これはこの四半期中に新規開業した施設が2つあったことが影響しています。小型施設では、3四半期続いていたマイナスのD.I.値が当四半期ではプラスに転じています。逆に中型施設は、3四半期続いていたプラスのD.I.値がマイナスに転じる結果となり、逆の動きが生じています。詳細は後述しますが、中型施設で店舗数が減少する傾向は、駅周辺・市街地だけでなく、郊外の施設でも観察されています。

郊外の施設では、大型施設で5四半期のすべてでD.I.値がプラスとなり、店舗数の増加が継続しています。先の駅ビル、駅周辺・市街地も含め、総じて大型の施設では出店が続いています。郊外の施設に視点を戻すと、大型施設での増加傾向に対し、小型・中型の施設では、店舗数が減少しています。特に中型施設は4四半期連続して大きなマイナスのD.I.値となっています。

今回のレポートでは、駅周辺・市街地、郊外の中型施設での店舗数の減少が見て取れますが、これらについて詳細を調査したところ、総合スーパー(GMS)を核とした施設で店舗数を減らしている例が多数あり、今後の動向を見ていく必要があります。

 

 

 

2017年10月~12月 地方別四半期SC出退店D.I.

東北・四国の各地方での店舗数減少が拡大している

SCの所在する地方別に、同期間の四半期SC出退店D.I.を算出した結果は、図表3のようになりました。

直近の17年10月~12月期のD.I.を見ると、中部地方での新規開業施設による店舗数の顕著な増加と、東北地方・四国地方での店舗数の減少が顕著です。

顕著な減少を示した東北地方と四国地方は、いずれもD.I.値が3四半期連続してマイナス側に拡大し続けており、今後の動向に留意しておく必要があります。

北海道地方・中国地方は、D.I.値のマイナスは前四半期に比較して小さくはなっていますが、北海道地方では4四半期、中国地方では3四半期連続して、マイナスのD.I.値となっています。

九州・沖縄地方はこのレポートで対象としている5四半期中、17年1月~3月期と同年7月~9月期を除き、わずかではありますが店舗数が増加しています。

前四半期のレポートでプラスを示していた関東地方と近畿地方については、この四半期はわずかですがマイナスのD.I.値となりました。

 

四半期SC出退店D.I.とは

四半期SC出退店D.I.は、SCトレンド研究所が考案した、SCにおけるテナントの増減を表す指数です(四半期SC出退店D.I.の定義はこちらをご参照ください)。「D.I.」(ディー・アイ)は、Diffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、景気動向判断指標の一つとして用いられているものです。

四半期SC出退店D.I.がプラスの場合は出店数が退店数よりも多く、マイナスの場合は出店数よりも退店数が多いことを表します。また、値がゼロから離れるほど出店数と退店数のバランスが、どちらか一方に偏っていることになります。

なお、四半期SC出退店D.I.はSCでの出退店のみを見ており、多くのショップブランドでは路面店も含めSC以外での出退店があり、出店戦略の変更などに伴う特定のショップブランドの出退店がD.I.値に影響することがあることから、業種別SC出退店D.I.がそのまま業種の勢いなどを表すものではありません。同様に、新規SCの開業やSCの大規模リニューアルなどに伴う出退店もD.I.値に影響しますので、SCタイプ別、SC所在地方別の場合も、SC出退店D.I.値がそのままその区分の勢いなどを表すものではないことに留意する必要があります。

 

集計対象SC

  • 2017年12月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2015年12月~2017年12月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

 

【本稿はSC GATEの2018年1月末時点のデータを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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