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均一価格ショップ大躍進! - 【生活雑貨大業種四半期SC出退店ランキング】

均一価格ショップ大躍進! - 【生活雑貨大業種四半期SC出退店ランキング】

2018年10月~12月期の生活雑貨大業種のSC出店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数と差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

生活雑貨大業種のSC出退店ランキング - 【2018年10月~12月期】

生活雑貨でも店舗規模の大型化が進む

2018年10月~12月期の生活雑貨大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。

出店ランキングの1位は、差引出店数8店で“HAPiNS”となりました。
“HAPiNS”はこれまでのレポートでも紹介しているように、このブランドを運営する株式会社HAPiNS(東京都品川区)が、“PASSPORT”ブランドの“HAPiNS”ブランドへの移行を進めるとともに、“HAPiNS”をメインブランドとすることを発表していることから、今回の出店ランキング入りとなったものと考えられます。

2位以降に目を移すと、2位、3位、4位はいずれも均一価格商品を扱うブランドとなりました。具体的には、2位が“Seria“(差引出店数7店)、3位が“DAISO”(差引出店数6店)、4位が“illusie300”(差引出店数5店)となっています。
今回の出店ランキングでは、差引出店数が4店で5位となった7つのブランドの中にも均一価格ショップの“Threeppy 300 and Happy”が含まれている上に、12位(差引出店数3店)の6ブランドの中にも“Watts with”が含まれており、均一価格ショップは、ショッピングセンターの店揃えの中で、一定のポジションを確保したと言えそうです。ただ、今回ランキングに入った各ブランドも、同じ価格の商品を扱うとはいえ、バラエティを重視するブランドやファッション性を重視するブランドなど商品政策が異なる場合や、店舗の規模に対する考えかたが異なる場合もあることも指摘されています。

また、今回のランキングでは、差引出店数4店の5位に株式会社良品計画(東京都豊島区)が運営する“無印良品”が入っています。
同社は18年1月に公開されたインタビューで「500坪級の店舗を増加させるとともに、現在の標準的売場サイズである二百数十坪の店は300~400坪に増床していく」との方針を打ち出しています。

ファッション業種で見られた店舗規模の大型化の流れが、先の均一価格ショップも含め、生活雑貨でも見られています。

図表1 生活雑貨_大業種の出店ランキング(差引出店数上位20ブランド)

一方、差引退店数の上位ブランドをリストアップした結果は図表2のとおりとなりました。

退店ランキングの1位は、差引退店数12店でライフスタイル雑貨小業種の“Lulu by UNITED BEES”となりました。また、差引退店数1店の11位にも“Lulu cosme”、“Lulu PLUS PLUS”の2ブランドが入っています。これら3つのブランドは、いずれもユナイテッドビーズ株式会社(広島県福山市)が運営していましたが、同社は18年10月30日付で広島地方裁判所へ自己破産を申請したことから、それに伴う退店となっています。

退店ランキングの2位(差引退店数4店)となった2ブランドには、出店ランキング側で上位に多数見られた均一価格商品を扱うブランドの1つ“シルク”が含まれています。このブランドは出店ランキング12位の“Watts with”と同じ株式会社ワッツ(大阪市中央区)が運営しており、同社は、同社が運営する“シルク”、“ミーツ”の2ブランドを改装時に“Watts”に切り替えることを発表していることから、それに伴う退店の可能性があります。

2位のもう一つのブランドはコンタクト・めがね・補聴器小業種の“ALOOK”です。また、4位も差引退店数3店で同じ小業種の“メガネの三城”で、いずれも「めがね」を中心として扱うブランドです。めがねを扱うブランドでは、“JINS”、“Zoff”の2ブランドが出店ランキングの5位(いずれも差引出店数4店)に、“眼鏡市場”が同じく12位(差引出店数3店)、“Zoff Marche”も18位(差引出店数2店)に入るなど、出店側でも大きな動きが見られています。
ランクに入ったこれらのブランドの中で、退店ランキング2位の“ALOOK”と出店ランキング12位の“眼鏡市場”は、同じ株式会社メガネトップ(静岡県静岡市)が運営しており、同社のWebサイトでは、いくつかの店舗の“ALOOK”から“眼鏡市場”への業態転換が告知されていることから、業態転換のための退店の可能性もあると考えられます。
また、退店ランキング4位となった“メガネの三城”は、株式会社三城(東京都中央区)が運営するブランドで、これまでリピーターである優良顧客依存であった運営から、新規顧客の獲得を目指し4つの方向性での新業態の出店と、従来型の“メガネの三城”店舗の統廃合を打ち出しています。

図表2 生活雑貨_大業種の退店ランキング(差引退店数上位20ブランド)

集計対象ショッピングセンター

  • 2018年12月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2017年1月~2018年12月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年12月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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  • 前四半期のこの業種(生活雑貨)のランキングはこちら