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あのブランドの店舗数減少が止まらない - 【飲食大業種四半期SC出退店ランキング】

飲食大業種のSC出退店ランキング - 【2018年1月~3月期】

2018年1月~3月期の飲食大業種のSC出退店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にSCに出店もしくはSCから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

出店ランキング、退店ランキングとも、1位のブランドは前四半期と変わらず

18年1月~3月期の飲食大業種のSC出店ランキングは図表1のようになりました。

1位にランクインしたのは、前四半期(17年10月~12月期)と変わらず“いきなり!ステーキ”となりました。差引出店数も13店と、前四半期と同じペースで出店が続いています。このブランドは、前々四半期(17年7月~9月期)も差引出店数9店で2位にランクインしており、17年7月~18年3月の9ヶ月間に、合計35店が増加しています。

2位にはカフェ_小業種の“Starbucks Coffee”(差引出店数9店)がランクインしています。カフェ_小業種については、前々四半期(17年7月~9月期)は同ブランドがランクインしていましたが、前四半期(17年10月~12月期)はランクインせず、“TULLY’S COFFEE”がランクインしていました。

3位から6位のブランドを見ると、フードコート等で見かけることが多いブランドが多く、ショッピングセンターにおけるフードコートの重要性から、それを上質化させようという動きが伺えます。

差引出店数3店で、7位にランクインした“J.S.BURGERS CAFE”はその名前からもわかるように、ファッション系のショップを企画運営するBAYCREW’S GROUP(ベイクルーズグループ、東京都渋谷区)のブランドとなっています。なお、同グループの運営するブランドは、本稿執筆時点でSC GATEに出店が登録されている全33ブランド中、9ブランドが飲食業種、3ブランドが食品業種となっています。

一方、差引退店数の上位ブランドをリストアップした結果は図表2のとおりとなりました。

差引退店数が最も大きかったブランドは、パン・サンドイッチ・ベーグル・ベーカリー_小業種の“SUBWAY”(差引退店数10店)となりました。このブランドは、前々四半期(17年7月~9月期)、前四半期(17年10月~12月期)ともに、退店ランキングで1位となっており、17年7月~18年3月の9ヶ月間で、合計25店が減少したことになります。このブランドは、08年から「野菜のサブウェイ」のスローガンを採用し、野菜が食べられることがお客様に支持されていました。しかしながら、昨今、コンビニエンスストアのサラダの品ぞろえが充実し、飲食店も野菜が食べられることを訴求するようになり、その訴求力が低下したことが原因の一つだと指摘されています。また、パンやトッピングを自分で選んでオーダーできるという特徴が、逆に「めんどくささ」につながり、手軽さという面でも敬遠された可能性があるとも指摘されています。

退店ランキングにランクインした他のブランドを見ると、出店ランキングと同様、フードコートを構成するブランドが多く見られ、出店ランキングで触れた「フードコートの上質化」の動きが退店ランキング側でも確認できます。

集計対象SC

  • 2018年3月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年4月~2018年3月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年4月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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  • 前四半期のこの業種(飲食、サービス、アミューズメント)のランキングはこちら