2018年10月~12月期のファッション大業種のSC出店ランキングを報告します。
この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数と差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
目次
2018年10月~12月期のファッション大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。
3ヶ月前の前四半期のランキングで1位だった“AMERICAN HOLIC”、2位だった“field/dream”は、この四半期は差引出店数4店で3位となり、1位には差引出店数5店で“西松屋”と“BELLUNA”の2つのブランドがランクインしています。
“西松屋”は、株式会社西松屋チェーン(兵庫県姫路市)が運営するベビー・子どものくらし用品専門店チェーンとなっています。18年1月に公開されたDRMオンライン(2018年1月15日付、記事はこちら)のインタビューで、「標準とするフォーマットを200坪タイプから300坪タイプに拡大し、大型化に伴って商品を子供向けから上の年齢層にも対象を広げるとともに、出店形態もフリースタンディングではなく、CSC(コミュニティ型ショッピングセンター)、NSC(近隣型ショッピングセンター)などへの出店を強め、居抜き出店も含めて選択肢としている」としています。過去のファッション業種のランキング記事でも触れていますが、ファッション関連業種ショップのショッピングセンターからの退店が続く中、ベビー・キッズというこれまでより顧客層を拡大するとともに、大きな面積で出店可能なショップが、ショッピングセンターで歓迎され、それが当四半期の四半期SC出退店D.I.指標(当四半期のD.I.指標の発表記事はこちら)にも表れ始めているようです。
同じく1位の“BELLUNA”は、衣料品、ファッション雑貨、インテリアなど多彩な商品を、カタログ・チラシ、インターネットを通じて受注・販売する総合通販業の株式会社ベルーナ(埼玉県上尾市)が展開しています。40代~50代女性を主なターゲットとし、カジュアル衣料品を低価格で提供する「リアル店舗」となっています。過去のランキングでは18年4月~6月期(記事はこちら)で出店ランキング8位(差引出店数3店)にもランクインしています。同社に関する投資家向け情報では、アパレル店舗事業について「年間20~50店舗の出店により22年3月期200店舗体制を目指す」とのレポートも報告されています(情報源はこちら)。
また、3位には先に触れた“AMERICAN HOLIC”と“field/dream”以外に、差引出店数4店で“BABYDOLL”、“Honeys”、“GU”もランクインしています。
退店ランキング(図表2)に視点を移すと、1位は差引退店数11店で、株式会社グランドスラム(大阪府大阪市西区)が運営する“STORIES”となりました。ネット通販のZOZOTOWNではこのブランドの商品の取り扱いが続いていますが、同じネット通販の楽天市場では「改装中」と表記されて商品が購入できない状態になっているほか、同社が運営するBLOGやSNSなども更新が18年10月で停止しており、今後の動向が気がかりです。
退店ランキング2位は差引退店数3店で、パレモ・ホールディングス株式会社(愛知県稲沢市)が運営する“GAL FIT”となりました。
集計対象ショッピングセンター
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【本稿はSC GATEの2018年12月末時点データを用いて作成しています】
SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください
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