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建築設計会社が運営する農園が初出店 - 【食品大業種四半期SC出退店ランキング】

建築設計会社が運営する農園が初出店 - 【食品大業種四半期SC出退店ランキング】
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2018年10月~12月期の食品大業種のSC出店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

食品大業種のSC出退店ランキング - 【2018年10月~12月期】

2位には学校給食でおなじみのコッペパンのあのブランド

2018年10月~12月期の食品大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。

出店ランキングの1位は、グロサリー・食品雑貨・食材調理材料小業種の“KALDI COFFEE FARM”(差引出店数5店)となりました。
このブランドは株式会社キャメル珈琲(東京都世田谷区)が「コーヒーと輸入食品のワンダーショップ」として運営しています。過去のランキングを調べると17年10~12月期以降、当四半期も含め、5四半期連続して出店ランキングの上位に入っています。同社のWebサイトを確認すると、今後の新規出店情報も多数見られますし、主要政令指定都市(50万人以上)及び中核都市(20万人以上)の商業施設での物件募集も行われていることから、今後とも積極的な出店が継続すると考えられます。

出店ランキングの2位は、差引出店数3店の“コメダ謹製 やわらかシロコッペ”と、前四半期の出店ランキング(記事はこちら)で1位だった“口福堂”となりました。

“コメダ謹製 やわらかシロコッペ”は、“コメダ珈琲店”を運営する株式会社コメダ(愛知県名古屋市)が17年9月に、“コメダ珈琲店”で提供されていた自社製造のパンと、名古屋の定番「小倉マーガリン」を組み合わせ、パンの美味しさもダイレクトに味わえるコッペパンの新業態としてスタートさせたブランドです。コッペパンというと、パサパサ、もそもそした食感だった学校給食のパンを思い浮かべるかもしれませんが、この“コメダ謹製 やわらかシロコッペ”のコッペパンは、しっとりとして口どけがよく一味違うものとなっています。
なお、こうしたコッペパン専門店は個人店が中心となってブームとなってきたものですが、今回ランキングに入った“コメダ謹製 やわらかシロコッペ”や、株式会社ドトール・日レスホールディングス(東京都渋谷区)傘下の、株式会社サンメリー(東京都渋谷区)が運営する“パンの田島”が、ドトールコーヒーをコラボした店舗を展開するなど、多店舗化の動きも始まっています。

さて、今回のランキングには、異色の企業が運営するブランドが登場しています。
それは16位(差引出店数1店)の“類農園”です。“類農園”を運営する有限会社類農園(奈良農場:奈良県宇陀市)は、建築設計事務所の株式会社類設計室(大阪本社:大阪市淀川区)が、共同体「類グループ」として展開する、教育事業、農園事業、建築設計事業、地所事業、社会事業の中の1事業となっています。
類農園は「農の再生」を目指し99年に農業生産法人として設立され、現在では有機JAS認定(※)を受け、都市と農村を繋ぐ「直売事業」を展開しています。
なお、今回の出店は同ブランドの商業施設への初出店となります。

※:JAS法に基づき、「有機JAS規格」に適合した生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者に「有機JASマーク」の使用を認める制度。農産物及び農産物加工食品は、有機JASマークが付されたものでなければ、「有機〇〇」と表示できない。

図表1 食品_大業種の出店ランキング(差引出店数上位20ブランド)

退店ランキング(図表2)に視点を移すと、退店ランキングの1位は “不二家(ケーキ・洋菓子)”(差引退店数4店)となりました。
株式会社不二家(東京都文京区)が運営する“不二家”は、前四半期(記事はこちら)の退店ランキングでも2位で、ランキングの公表開始から何度か退店ランキング側に名前が見られています。このブランドが扱うスイーツ市場については、「スイーツの需要が、主要販路である路面店や百貨店等の従来チャネルから、利便性を強みとしたコンビニや通販等のチャネルにシフトしているため」と分析するレポートを紹介する記事(2018年5月17日 ITmedia「コンビニとネット通販に対抗 老舗洋菓子チェーンの新戦略」)もあり、同レポートでは同社について「変化する消費者のニーズに応えるために『今後新しいタイプの店舗の開発を検討、展開予定』(担当者)」とも記載されています。

退店ランキング3位(差引退店数2店)の“菓舗うぐ島”は、「博多旅情」というお土産が有名でしたが、同ブランドを運営する有限会社菓舗うぐ島(福岡県福岡市)が、18年12月に破産手続開始申立準備手続きを開始し、倒産したと報じられています。

図表2 食品_大業種の退店ランキング(差引退店数上位20ブランド)

集計対象ショッピングセンター

  • 2018年12月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2017年1月~2018年12月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年12月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

関連レポート

  • 前四半期のこの業種(食品)のランキングはこちら
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