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ガチャガチャ「だんごむし」大ヒットの背景にインスタ映え - 【スポーツ・ホビー大業種四半期SC出退店ランキング】

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2019年1月~3月期のスポーツ・ホビー大業種のSC出店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数と差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

なお、当四半期から、ランキング表のデザインを変更しています。

スポーツ・ホビー大業種のSC出退店ランキング - 【2019年1月~3月期】

大人女子やインバウンドまで市場拡大するカプセルトイの奥深い世界

2019年1月~3月期のスポーツ・ホビー大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。

出店ランキングの1位は差引出店数4店で、“ガチャガチャの森”となりました。前四半期も出店数2でランキング2位でしたが、当四半期は更に勢いづいています。

2位以降に目を移すと、3位、6位はいずれもカプセルトイを扱うブランドとなりました。
具体的には、3位が“トレカイダー”(差引出店数2店)、6位が“DreamCapsule”(差引出店数1店)となっています。このように上位10位内に3ブランドが占めており、ショッピングセンターにおけるガチャガチャショップ人気が高まっていると言えます。

いま、人気のガチャガチャは価格が1回300円や500円になっており、大人の女性客にまでターゲット層が拡大しています。
また「空港ガチャ」「京急ガチャ」が設置され、案内表示は多言語に対応、訪日外国人観光客の人気商品になっています。
株式会社バンダイは2019年4月から、国内で初めてキャッシュレス決済に対応するカプセルトイ自販機「スマートガシャポン」を稼働させました。Suicaなど交通系電子マネーを使って買えるガシャポン(カプセルトイ)販売機ですが、現金は使えません。6月17日以降はQRコード決済にも対応し、PayPayやLINE Pay、WeChat Pay、Alipayのコード決済で購入できるそうです。

ちょうど記事を書いている2019年6月15日16日は、東京ビッグサイトにて東京おもちゃショー2019が開催中でした(主催:一般社団法人日本玩具協会)。
一般公開の来場者人数は2日間で135,245人だったということです。
日本おもちゃ大賞2019、ハイターゲット・トイ部門は、株式会社バンダイの「だんごむし」(税込価格500円)が受賞しました。
協会HPによると、受賞理由は「徹底的に完全再現を目指した『だんごむし』の1000%スケールモデルとしてのこだわり、カプセルいらずで丸まった形状でそのまま自販機から出てくる新たなカプセルトイとしての驚き、大胆で面白い発想と従来にない新たな着眼点が評価されました。」とのことです。

バンダイ企画担当者のガシャポンブログによると、2018年6月4日(ムシの日)に発表した「だんごむし」の累計出荷数は100万個を突破したそうです。2019年6月第5週には、新商品「だんごむし まるまるスイング」が発売され、女性の手のひらサイズの超リアルな姿がインスタ映えすることから、当分SNS上で話題になりそうです。

図表1 スポーツ・ホビー_大業種の出店ランキング(差引出店数上位20ブランド)

退店ランキング(図表2)に視点を移すと、1位は差引退店数12店で、“カメラのキタムラ”となりました。
カメラ、DPEショップの撤退は加速しています。スマホで充分カメラ機能に満足できること、自宅でもプリントできること、また大手家電量販店では機種が豊富に揃い、安価にプリントできること等、複数要因が絡んでいます。

“カメラのキタムラ”については、2017年に大量退店し、TSUTAYA系列になりましたが、Tポイントカードの先行きとともに今後の動向に注目です。

退店ランキング3位に“クラフトハートトーカイ”、8位に“手芸の丸十”、9位に“cat’s tail”と手芸店チェーンが並んでいます。

“クラフトハートトーカイ”を運営する藤久株式会社(愛知県名古屋市)は1961年3月設立、絹糸の加工販売からスタートし、1968年「手芸のすずらん」の名称で手芸専門店のチェーン展開を開始しました。
同社の会社概要には「実店舗は現在500店舗弱を展開していますが、将来的にはこの倍の1,000店舗まで増やすことを予定しています。」とあります。手芸の楽しさを伝えるために、お客様に直接見て触って体験してもらえる体験型の講習会に力を入れています。
ところが、17年7~12月期の単独決算は売上高が98億円と前年同期比5%減少し、18年7月~12月期は89億円と前年同期比8.5%減少。2018年6月期に30店舗の閉鎖計画を発表、2019年6月期も期首計画では出店2、退店22でしたが、上期実績は出店2、退店13、下期計画は出店5、退店11と計画修正しました。
不振の理由として、糸、ゴム、マジックテープ、ボタンなど標準的な手芸用品が低調としています。

その背景には何があるのでしょうか。ハンドメイドのレシピサイトには「100均手芸」というコーナーがあり、初心者でも手作りキットで気軽にハンドメイドにチャレンジできると紹介されています。
手芸専門店に行かなくても、100円均一ショップやネットで買えることから、顧客が流出していると考えられています。生活雑貨やインテリア雑貨にとどまらず、スポーツ・ホビーにおいても100円均一ショップの影響が広がっているようです。

図表2 スポーツ・ホビー_大業種の退店ランキング(差引退店数上位20ブランド)

集計対象ショッピングセンター

  • 2019年3月末日までにSC GATEに登録されている
  • 2019年3月末日時点で営業している
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2017年4月~2019年3月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2019年4月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

関連レポート

  • 前四半期のこの業種(スポーツ・ホビー)のランキングはこちら
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