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楽天モバイルが大量出店、実店舗の役割見直しで - 【サービス大業種四半期SC出退店ランキング】

楽天モバイルが大量出店、実店舗の役割見直しで - 【サービス大業種四半期SC出退店ランキング】
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2019年1月~3月期のサービス大業種のSC出店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

なお、当四半期から、ランキング表のデザインを変更しています。

サービス大業種のSC出退店ランキング - 【2019年1月~3月期】

一方で消えるGMS実店舗、時代変化で歴史的役割に幕。

金融リストラで退店増加

2019年1月~3月期のサービス大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。

出店ランキングの1位は差引出店数16の“楽天モバイル”となりました。
“楽天モバイル”は楽天コミュニケーションズ株式会社(4月から楽天モバイルネットワーク株式会社に社名変更)が運営する携帯電話会社です。10位にランキングしている伊藤忠商事系のコネクシオが運営している4店を合わせれば合計20。

断トツの1位です。

楽天は2017年12月に携帯キャリア事業への参入を表明。ドコモ、au、ソフトバンクに次ぐ第4のキャリア企業をめざしています。10月には移動体通信業者としてサービスを開始する予定で、「1500万人以上のユーザーをめざす」としています。

出店がここへ来て増えているのは、途中でリアル店舗の役割を見直したからだとか。
当初はネット通販のウエイトを高く見ていましたが、消費者の声を聞くと、大半が実店舗で説明を受けて購入したいということが分かり、大量・大型店出店も始めています。2018年4月に200店だったのが、2019年4月には500店を超え、今後も上位入りが確実視されています。

2位には差引出店数8で、“ヘアカラー専門店fufu”が入りました。1年前から6位→2位→4位→6位と高位安定しています。
2018年4~6月で資本業務提携など企業戦略に触れています(記事はこちら)が、ホームページには「2018年100店をめざす」とあり、達成した模様です。首都圏・関西から全国展開へ移るとしており、すでに北海道、東北まで出店。
勢いは止まりません。

3位は、これも常連の“スーモカウンター”が入りました。

図表1 サービス_大業種の出店ランキング(差引出店数上位20ブランド)

退店ランキング(図表2)に視点を移すと、退店ランキングの1位は差引退店数9で、“宝くじ”となりました。

出店5に対し退店が14。総数が970もあるので、2ケタ退店などどうということないのかも知れませんが、1位は1位。
詳細を調べたところ、GMS(総合小売業)の閉鎖が影響していました。飲食ランキングで指摘したイトーヨーカ堂の古河、東大阪に、ダイエーの横浜西口、ショッパーズプラザ横須賀など『かつての花形店舗』がひそかに歴史の幕を閉じていたことが絡んでいました。

退店ランキングの2位には差引退店数8で、”coloree”が入りました。
運営しているのは脱毛サロンのミュゼプラチナム(東京・渋谷)。2017年4月に全身脱毛の新業態としてオープンさせましたが、2019年3月に全店営業を打ち切り、ミュゼプラチナムに業態転換して再開しています。

3位はイオンの“暮らしのマネープラザ”(差引退店数6)です。イオンは“イオン銀行”と“イオンの保険相談”が各6ずつ出店しているので、何らかのシフト変更であることがうかがえます。

今回のランキングでは、写真・写真館の退店が続いているのに加え、金融があちこちに顔出ししているのが目立ちました。
これまで出店ランキングの常連だった“セブン銀行ATM”が姿を消しただけでなく、退店ランキングにはATM、都銀、地銀、保険会社が勢揃いの様相です。同数が多かったため、20位ランキングに今回は58ブランドが登場していますが、うち金融は13で2割を超えています。
この記事を執筆中に、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が秋からATMを共通化すると発表しました。3大メガバンクでは「蚊帳の外」のみずほ銀行だけが出店ランキング17位とは、そういう訳だったのです。

支店・窓口の統廃合などと合わせて、金融業のリストラは、ショッピングセンターにも多大な影響を及ぼしそうです。

図表2 サービス_大業種の退店ランキング(差引退店数上位20ブランド)

集計対象ショッピングセンター

  • 2019年3月末日までにSC GATEに登録されている
  • 2019年3月末日時点で営業している
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2017年4月~2019年3月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2019年4月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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  • 前四半期のこの業種(サービス)のランキングはこちら
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