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カワイイ、手軽の2ブランドが1位独占も、3位以下は高級・グローバルブランド傑出。2極化が進むか?

カワイイ、手軽の2ブランドが1位独占も、3位以下は高級・グローバルブランド傑出。2極化が進むか?
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2019年4月~6月期のファッション雑貨大業種のSC出店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数と差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

ファッション雑貨大業種のSC出退店ランキング - 【2019年4月~6月期】

出店は緩やかだが退店はドラスチック。レモンツリーの自己破産が響く

2019年4月~6月期のファッション雑貨大業種のSC出店ランキングは図表1の通りとなりました。

出店ランキングの1位は差引出店数4店で“Shiny Line”と“LUPIS”が、3位には同3店で“FURURA”が入りました。

“Shiny Line”はK-POPアイドルの公式グッズや人気のアクセサリーを扱うショップです。
「10~20代の女性」をターゲットにしたブランドで、運営するのはフォーシーズン(名古屋)。
300円で買えるアクセサリーほか、BTS(13年6月デビューの韓国男性ヒップホップアイドルグループ「防弾少年団」)の公式グッズなどを扱っています。
「リーズナブルな価格でオシャレを楽しむ」のは“LUPIS”と同じ。前回指摘したように、激安でカワイイ点がティーンエイジャーに支持されているのでしょう。

一転して、それ以下には価格もアッパーでグローバル展開しているブランドが顔を揃えました。
3位の伊バッグブランド“FURURA”の18年度売上高は、前年比5.2%増の5億1,300万ユーロ(約648億円)となり、過去4年で約2倍に増加しました。国別売上高では日本が全体の22%を占め、1位を維持しています。この成長を継続させるため直営店販路を拡大しており、現在、世界100か国以上、490店舗(直営店285)で販売していますが、日本でも直営店が増える見通しです。

4位のブライダルリング専門店“I-PRIMO”を運営するプリモ・ジャパンは、新中期経営計画を実行中です。
海外売り上げ比率を現在の29%から41%、総店舗数を110店から146店へと拡大し、連結売上高281億円(18年12月期実績204億円)を目指しています。目標店舗数146店のうち、国内は93店(新規5店)、海外は53店(20店)を見込んでいますが、国内では既存店の移転、改装により収益率を高めることを重点にしています。当四半期もリプレイスを複数実施しました。

同じく4位の“Smade STORE”は、新潟のニット工場発のファッション小物ブランドです。
「見て・選んで・遊んで・楽しんで」をコンセプトにその日の気分で楽しめるヘアアクセサリー、イヤリング・ピアス、ボウタイ、帽子等、小物を提案。
格安が売りで、催事出店を重ね15年初めて常設店を出店しました。

今回のランキングは1位2ブランドが4店、3位が3ブランド1店、4位6ブランドが2店で、後は1店と小規模なものに終わりました。
春の出店は1~3月期に集中しますから、その反動もありますが、出店マインドが低いことには変わりありません。

前回1位の“atmos”は今回4位ですが、退店でもランキングされており、依然ブランドスイッチを続けているようです。

図表1 ファッション雑貨_大業種の出店ランキング(差引出店数上位20ブランド)

退店ランキング(図表2)に視点を移すと、こちらはドラスチックです。

1位は差引退店数7の“LEMONTREE”、2位は同5の“SWC”となり、運営するレモンツリー(大阪府藤井寺市、平田惠三社長)の自己破産が響きました。
同社は76年10月創業、78年11月に設立。18年8月期の売上高は3億7,000万円でした。百貨店やショッピングモールに出店しており、ピーク時の08年の売上高は19億円で約70店を出していましたが、景気低迷の影響から減収傾向にあり、不採算店閉鎖による損失計上などで赤字が頻発していました。

大手GMS(総合小売業)と金融機関の支援を受けて積極出店したものの、郊外SCでは大型売り場を構えざるを得ず、アクセサリー以外の雑貨を品揃えした結果、在庫負担が重くなったという指摘もあります。いかに自社のMDスタンスを確立することが大事かということを、この事例が示しています。
 
前回1位の“AMOSTYLE by Triumph”(トリンプ・インターナショナル・ジャパン)は2位ですが、退店数は前四半期の半分の5にとどまりました。
とは言っても今回は“Triumph”も2店でランキング入り。底を打って反転攻勢に出るのか、さらに退店するのか、今後も注目されます。

4位の“長寿の里”の「然(しかり)よかせっけん」は、中国トップインフルエンサーのLive配信にて紹介され、「10,000個を秒速完売」で一時話題になりましたが、14年7月期から売り上げが下降気味だったと言われています。

5位の“griffonner”(エフタイム)は、群馬県によると、東京で雑貨店の店長をやっていた貫井哲夫社長が、前橋市の中心商店街にアクセサリーや雑貨を扱う個人経営の店舗「パーティージョーク」を82年に開業し、そこからスタートして、生活関連雑貨店として県内はもとより全国に直営店、フランチャイズ店を展開。関連会社複数社を構え、「今や群馬県を代表する優良企業に成長した」とのこと。
同社HPで6~7月にハンプティーダンプティーに3店リニューアルしたと公表しており、今回の退店はブランドスイッチの一環とみられます。

図表2 ファッション雑貨_大業種の退店ランキング(差引退店数上位20ブランド)

集計対象ショッピングセンター

  • 2019年6月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2017年7月~2019年6月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2019年7月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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  • 前四半期のこの業種(ファッション雑貨)のランキングはこちら
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