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前四半期に続き、また、あの業種で新ブランドが登場 - 【食品大業種四半期SC出退店ランキング】

 

2018年4月~6月期の食品大業種のSC出退店ランキングを報告します。

出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

 

食品大業種のSC出退店ランキング - 【2018年4月~6月期】

高級和菓子のブランドが出店ランキングにランクイン / 退店には新旧のブランドが入り乱れる

18年4月~6月期の食品大業種のSC出店ランキングは図表1のようになりました。

1位には前四半期(記事はこちら)でも1位だった、グロサリー・食品雑貨・食材調理材料_小業種の“KALDI COFFEE FARM”が、差引出店数5店でランクインしました。このブランドは、前々四半期(17年10月~12月期、記事はこちら)でも差引出店数5店で同数1位にランクインしており、3四半期連続の1位となっています。

前四半期の報告(記事はこちら)で、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(愛知県名古屋市)が運営する新しい業態として紹介した“こととや”も、差引出店数2店で8位にランクインしています。

これら以外にも、今回のランキングには、同じ小業種から、“久世福商店”(4位、差引出店数3店)、“AKOMEYA TOKYO”(8位、差引出店数2店)の2ブランドがランクインしており、先の2ブランドも含め、合計4ブランドがランクインしたことになります。

なお、前四半期は意外な企業が運営している新業態として“こととや”を紹介しました(記事はこちら)が、先ほど8位にランクインしていると紹介した“AKOMEYA TOKYO”は、ファッション、服飾雑貨、生活雑貨など多数のブランドを運営する株式会社サザビーリーグ (東京都渋谷区)が運営する、飲食、ケータリングなどにも対応する新業態となっています。

前四半期の報告(記事はこちら)で、ショッピングセンターへの出店が進んでいると指摘したコンビニエンスストア_小業種では、2位に“7 ELEVEN”(差引出店数4店)、8位に“FamilyMart”(差引出店数2店)がランクインしており、その勢いが継続していることが伺えます。

また、業種としての動きではありませんが、今回のランキングの4位に、四季の果物を使用した和菓子を主力商品とする「源 吉兆庵グループ」の“宗家 源 吉兆庵”が差引出店数3店でランクインしていることも注目しておく必要がありそうです。

 

一方、差引退店数の上位ブランドをリストアップした結果は図表2のとおりとなりました。

差引退店数が最も大きかったブランドは、パン・サンドイッチ・ベーグル_小業種の“Biggy”と、洋惣菜_小業種の“La Quiche”で、いずれも差引退店数4店で1位となりました。

退店ランキングの7位(差引退店数2店)には、「日本一高い、日本一うまい」のキャッチコピーで知られ、創業180年以上の歴史を誇る老舗ブランド“花園万頭”がランクインしています。

花園万頭を運営する株式会社花園万頭(東京都新宿区、以下旧社と表記)は、18年5月31日に東京地裁に破産を申請し、保全管理命令を受けていました。その後、旧社の事業は、株式会社銀座千疋屋(東京都中央区)の子会社である株式会社パティスリー銀座千疋屋(東京都中央区)の100%出資により、新たに設立された株式会社花園万頭(東京都中央区、以下新社と表記)が旧社から事業譲受することとなりました。ただ、新社は事業譲受に際し、同時に不採算店舗の見直しも表明しています。

ランクインしたその他のブランドを見ると、特定の傾向のようなものは見られないようですが、比較的新しいブランドと古くからなじみのあるブランドが混在しているような印象を受けています。

 

集計対象ショッピングセンター

  • 2018年6月末日までにSC GATEに登録されている
  • SC面積が1,500㎡以上である
  • 2016年7月~2018年6月末日の最大テナント数が10テナント未満ではない
  • SCタイプが「駅ナカ」「駅ビル」「地下街」「駅周辺・市街地」「郊外」「超大型施設」「アウトレット」「空港」に分類されている

【本稿はSC GATEの2018年7月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

関連レポート

  • 前四半期のこの業種(食品)のランキングはこちら