えっ！あのおもちゃ屋が増えてるの？ － 【スポーツ・ホビー大業種四半期SC出退店ランキング】

2018年4月～6月期のスポーツ・ホビー大業種のSC出退店ランキングを報告します。

この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

スポーツ・ホビー大業種のSC出退店ランキング － 【2018年4月～6月期】

出店ランキングでは玩具、専門性の高いスポーツ用品が登場 / 退店ランキングでは過去に出店上位にランクインしていたブランドが退店1位に

18年4月～6月期のスポーツ・ホビー大業種のSC出店ランキングは図表1のようになりました。

ランクインしたブランドを見ると、ランキング1位には玩具_小業種の“おもちゃ屋さんの倉庫”と“トイザらス”、スポーツ用品_中業種から“mont･bell”と“BODYMAKER”の、合計4ブランドが差引出店数2店でランクインしました。

玩具_小業種の“おもちゃ屋さんの倉庫”は、17年7月～9月（記事はこちら）、17年10月～12月（記事はこちら）の出店ランキングでいずれも1位にランクインしていたブランドです。前四半期（18年1月～3月、記事はこちら）の出店ランキングには登場していませんでしたので、3ヶ月ぶりに1位に返り咲いたことになります。ただ、1位にランクインしたといっても、その出店と退店の内訳を見ると、出店数4店、退店数2店の差引出店数2店ですから、一時に比べ出店数は減ってはいるとはいえ、引き続き高い出店意欲を持ち続けている一方で、出店するショッピングセンターを見直していくような動きが始まっていることが伺えます。

同じ玩具_小業種の“トイザらス”が1位にランクインしていることを聞くと、その母体の米国Toys “R” Us, Inc. が、17年9月に連邦倒産法第11章（日本の民事再生法に相当）の適用を申請し、18年3月にアメリカ国内の全店舗の閉鎖を発表したことを思い浮かべるかもしれません。ただ、この倒産の背景には、M&A（合併・買収）手法の1種であるLBO（Leveraged Buy-Out、レバレッジド・バイ・アウト）による負債の急増があるといわれており、同ブランドを国内で運営する日本トイザらス株式会社（神奈川県川崎市）はこの米国事業の清算の影響を受けず、国内で160店舗を維持してきた店舗網を、18年にさらに拡大していく方針を打ち出していました。

1位に“mont･bell”と“BODYMAKER”の2ブランドがランクインしたスポーツ用品_中業種に着目すると、これら2ブランド以外にも8つのブランドが出店ランキングにランクインしています。ブランド名を確認していくと、これまでショッピングセンターで多く見られた総合的にスポーツ用品を扱うブランドというよりは、登山・アウトドア、ボディビルディング、ランニング、ポルダリング、スノーボード、スイミングといった個々のスポーツカテゴリーの専門店ブランドが増加しているように見受けられます。

退店ランキングに目を移すと、前四半期（18年1月～3月）に退店が目立つと指摘（記事はこちら）していたクラフト（手芸）_小業種の“クラフトハートトーカイ”が差引退店数4店で1位にランクインしました。また、同ブランド以外にも3ブランドが同じ業種でランクインしています。

“クラフトハートトーカイ”は藤久株式会社（愛知県名古屋市）が運営するクラフト（手芸）_小業種のブランドです。ハンドメード市場は、“DIY女子”が話題となり、SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス、social networking service）やハンドメード製品のCtoC（消費者間取引）サイトなどの利用拡大が後押しすることで、ショッピングセンターでの店舗数を増やしてきました。しかしながら、昨今、ボタンや糸など標準的な手芸用品を中心にネット通販や100円ショップに顧客が流れており、同社は18年8月に不採算店の退店を含む、出店政策の見直しを発表しています。

【本稿はSC GATEの2018年7月末時点データを用いて作成しています】

SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください

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• 前四半期のこの業種（スポーツ・ホビー）のランキングはこちら