2018年10月~12月期のインテリア・寝具・家電大業種のSC出店ランキングを報告します。
この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数と差引退店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
目次
2018年10月~12月期のインテリア・寝具・家電大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。
出店ランキングの1位は、差引出店数7店で“Yogibo”となりました。
“Yogibo”は「人をダメにするソファー」「人を動けなくする魔法」とまで言われたアメリカ発のビーズソファーを扱うブランドで、国内では株式会社Yogibo Japan(大阪市中央区)が運営しています。
このブランドは、ランキング記事の公開をスタートした17年7月~9月期以降、毎回ランクインしているものの、出店数も多いが、退店数も多いという特徴があります。こうした出店・退店には、「魔法」とまで表現される商品を体験させる場として「ポップアップストア」的出店を志向していることが背景にあります。また、店内での写真やビデオの撮影、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への投稿なども認めていることから、「ポップアップストア」で実際に商品に触れさせて商品の持つ魅力を伝え、SNSで口コミを拡散させて更なる来店を促進するとともに、自社ECサイト以外にもYahoo!ショッピング、楽天市場など主要なモール型ECサイトにも出店して購買チャネルを拡大するなど、「ポップアップストア」での体験を起点として、リアルとネットという幅広いチャネルを駆使した販売戦略を展開しています。
なお、今回の出店ランキングでは、7位(差引出店数1店)に香港からスタートしたビーズソファーを扱う“Slack Life Style”もランクインしており、このブランドを運営するライトハウス株式会社(埼玉県桶川市)も「ポップアップストア」での出店を展開しています。
ランキングの7位には、株式会社八木研(大阪市東成区)が運営する“GALLERY memoria”と、株式会社仏壇の大野屋(愛知県名古屋市)が運営する“GALLERY memoria”が、それぞれ差引出店数1店でランクインしています。“GALLERY memoria”は、現代のライフスタイルに合わせた家具調の「現代仏壇 ®」を製造する株式会社八木研が、本部として特約店方式で店舗を展開しているもので、先の2つのブランドは店舗を運営する企業が異なるため、SC GATEでのブランド取扱いルールにより別ブランドとして扱われています。なお、株式会社八木研は17年からホテル・旅館関連事業として、ホテル、旅館、飲食店向けの椅子と机、家具などにも取り組み始めています。
差引退店数の上位ブランドをリストアップした結果は図表2のとおりとなりました。
今回の退店ランキングでは、差引退店数1店のブランドが5ブランドリストアップされただけで、残り15ブランドは該当するブランドがないという結果になりました。該当するブランドがないという事象は、ランキングをスタートさせた17年7月~9月期以来、初めてのこととなります。
SC出退店D.I.指標が5四半期連続してマイナスとなっていないインテリア・寝具・家電大業種(記事はこちら)の出店傾向が、ランキング側にも表れた結果となっています。
集計対象ショッピングセンター
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【本稿はSC GATEの2018年12月末時点データを用いて作成しています】
SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください
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