2018年10月~12月期のアミューズメント大業種のSC出店ランキングを報告します。
この出退店ランキングは、この期間中にショッピングセンターに出店、もしくはショッピングセンターから退店したブランドについて、出店数と退店数から差引出店数を算出し、その上位から20位までのブランドを表示したものです。ランキング方法や詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事が当四半期のランキング記事の最後となります。
目次
2018年10月~12月期のアミューズメント大業種のSC出店ランキングは図表1のとおりとなりました。
出店ランキングの1位には、差引出店数2店の4つのブランドが入りました。具体的には“ハムリーズ”、“Kid’s US.LAND”、“SEGA”、“プレビ”の4ブランドです。
これらのうち、“Kid’s US.LAND”、“SEGA”、“プレビ”の3つのブランドは、過去のランキングにも何度か登場しているブランドであるのに対し、“ハムリーズ”は今回のランキングで初めて登場したブランドとなっています。
“ハムリーズ”は、1760年に英国・ロンドンで、おもちゃ屋として誕生しました。
「世界最“幸”の遊べる玩具店」をキャッチフレーズに、単におもちゃを売るのではなく、「いっしょに遊べるおもちゃ箱」として、実際に手にとって遊べるおもちゃや、テーマパークのようにお客さまにエンターテインメント体験をお届けするエンターテイナー、おもちゃの実演販売でお客さまを楽しませるデモンストレーターまで用意された、体験型販売を採用するおもちゃ屋となっています。
現在では世界中で110店以上の店舗が展開されており、日本では株式会社バンダイナムコアミューズメント(東京都港区)が本稿執筆時点で3店舗運営しています。
店舗内には、メリーゴーランドなどのアトラクション、ピクニックをイメージしたカフェに加え、パーティルームなども用意されています。なお、同ブランドのWebサイトによると、“ハムリーズ”には「ワールドタイプ」と呼ばれる900坪以上の旗艦店、150坪以上の「モールタイプ」、「トラベルタイプ」と呼ばれる45坪以下の小型店と、規模に応じた3つのクラスが用意されており、すでに「トラベルタイプ」の小型店が19年4月に東京駅に期間限定オープンしています。
今回の出店ランキングでは、差引出店数1店(5位)と出店数は多くありませんが、スポーツフィールドやアトラクションといった業種に分類されるブランドが見られました。スポーツフィールド業種は“Bouldering Park Bu-Rock”、アトラクション業種は“hexaRide”です。
スポーツフィールド業種の“Bouldering Park Bu-Rock”は、最低限の道具(シューズとチョーク)で岩や石、人工の壁面などを登るボルダリングと、トランポリンが両方楽しめる施設となっています。なお、ボルダリングはスケートボード、サーフィンなどとともに、2020年の東京オリンピックで初めて採用された競技の1つであることから、知名度の高まりや競技人口増が期待されており、ボルダリングが体験できる店は過去のランキングにも数度入っています。
アトラクション業種の“hexaRide”は日本初上陸のVRライド型アトラクション施設(VR:バーチャル・リアリティ[英: virtual reality])となっています。アトラクション参加者はヘッドマウンドディプレイを装着し、そこに表示される画像に連動してダイナミックかつ繊細に動く座席により特別な浮遊感や疾走感が楽しめる施設となっています。
今回の退店ランキングでは、この四半期のインテリア・寝具・家電業種の退店ランキング(記事はこちら)と同じく、ランキングに入った18のブランドがすべて差引退店数1店で、残り2ブランドは該当なしという結果になっています(図表3)。
ただ、ランキングに入ったブランドを小業種別に見ると、ランキングに入った18ブランド中、半数を超える10ブランドがゲームセンター小業種となっています(図表2)。
このゲームセンター小業種は出店ランキング側に入ったブランドも他の小業種に比べると多いことを考えると、飲食業種の特にフードコートなどで進行している上質化や世代交代といった動き(当四半期の飲食業種の記事はこちら)が、ゲームセンター小業種でも起きている可能性が考えられます。
集計対象ショッピングセンター
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【本稿はSC GATEの2018年12月末時点データを用いて作成しています】
SC GATEとSC GATEのデータについてはこちらをご覧ください
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